Q&A
ご多忙の中、多くの方に視聴していただき、ありがとうございました。
また質問も多数いただきましたので、類似した質問内容をまとめ、回答させていただきます。
転移巣の状況にもよりけりかと思います。例えば骨折や麻痺など急を要する場合には化学療法中であっても中断していただくことになりますし、色々な危険性があっても中断後すぐに手術を行うこともあります。一方待機的に手術が可能な場合には化学療法間に手術を計画します。術後の化学療法については、基本的には術後2週間程度経過したのちに行ってもらうようにしています。特に分子標的薬を使用すると創部の治癒が遅れることが多いためです。但し2週間たてば大丈夫というわけではなく、分子標的薬を継続して使用される場合には時間が経って創離開が生じることがありますので注意が必要です。
講演中にお話ししたようにデノスマブのほうが少し効果が高いというデータもありますのでどちらかといえばデノスマブより始めることが多いです。しかしある程度経った段階で、可能であればゾメタに変更し、投与間隔をすることもあります。これはゾメタの方が骨に沈着して残りやすいからです。でもこうすることによって来院回数を減らすことが可能になります。
キャンサーボードは月1回、司会は整形外科鈴木が行っております。症例は各診療科の先生のところに相談があった症例が主で、院内共有フォルダにExcelファイルを準備しており各先生が患者IDや原発巣、問題点などを記入しておき、入力された症例は全例検討します。多い日もあれば少ない日もありますが時間は概ね1時間程度です。
この質問に対する回答は非常に難しいのが現状です。例えば骨溶解が強い症例、胸腰椎移行部や大腿骨転子部などでは強く制限する必要がありますし、骨硬化を呈する症例や病変が小さな症例では全く行動を制限しないこともあります。講演中にお話ししたようなMirels scoreやSINSによる評価を行い、今後問題発生する危険性の評価が重要です。
多発性骨髄腫の頸椎転移に対する手術目的で入院した患者さんは、頸椎に負荷がかかる動作によって疼痛が非常に強く出ていました。具体的にはお手洗いに行こうとベッドから起き上がる際に疼痛が生じている状況でした。術後は症状が改善しましたが、ねじれないようベッド柵を持っての側臥位からの起き上がりや頚椎カラーの装着方法を指導し、頚椎への負荷をかけないことの重要性を患者と共有しました。具体的な指導により患者さん自身がギャッジアップが可能な介護用ベッドの必要性を実感し、自宅での導入ができました。起き上がり時の症状が和らいだことに関して、患者さんはとても安堵されていました。
ご質問ありがとうございます。オリゴ転移に対する局所治療の意義については、癌種ごとに様々な検証が行われているところであり、適応についてはまだ一定のコンセンサスはありません。定位放射線治療については、5cm以内の転移性脊椎腫瘍と5個以内の少数(オリゴ)転移が新たに保険適応となりましたので、この範囲内で患者さんごとの病態、予後、予測される効果と合併症(副作用)を見極めながら、慎重に判断しているのが現状です。
病変の広がりの程度や部位にもよりますので一概には言えません。骨の強度を高めるにはある程度、加重も必要ですので、整形外科の先生のご指導のもとで、リハビリを行って頂くよう、お話ししています。
明確には解っていませんが、放射線治療後には局所的に一過性の浮腫を生じることがあり、浮腫による神経圧迫が疼痛増強の原因となっている可能性、放射線で傷ついた腫瘍細胞から炎症性サイトカインが放出されることによる疼痛増強、などが機序として考えられています。フレア現象にはステロイドが有効な場合があります。
がんの患者さんとのコミュニケーションをとりなんでも気軽に話ができる関係構築に努めることが必要だと思いますが、外来ではなかなか難しい現実もあります。気になる症状が出たらどう対処行動をとるのがよいのか、パンフレットやポスターなど目に止まるような工夫もできます。日々の看護の中で心がけることとしては、治療に伴う痛みに対して継続的にアセスメントをすることです。今までと同じ痛みなのか、あらたな部位が痛むのか、薬剤を使用や時間経過で軽減しているのかなど、患者が自己評価できるようノートの活用をしていただくと変化に気づくのではないでしょうか。
放射線療法の場合どうしても照射部位の露出は必要になってきます。まず患者さんのご理解を得られるよう説明します。不必要な露出はさけること(バスタオルで覆う、カーテンやスクリーンを使う)やなるべく女性の技師、看護師で対応することとしています。
通院で骨転移の治療を行う患者さんに対しては、骨折予防と痛み止めを内服している患者さんにはレスキューの説明。症状が悪化した場合の対処方法はなどを注意しています。必要時スムーズに入院できる体制も整えるようにしています。
放射線治療時は治療台が硬いこともあって痛みのために体位をとるのがが難しい方が多くおられます。放射線治療に行く前に適切にレスキューを積極的に用いることで少しは緩和できるかと思います。
緩和ケア認定看護師の介入について、事例を通して回答いたします。まず、Aさんは早急な疼痛調整を目標とし、疼痛の評価や薬剤調整が必要です。日々の担当看護師の評価をもとに、週3回程度、身体症状が安定すると定期的に週1回訪問します。その他、医師からの説明後や退院調整でMSWが介入する前後など、多職種による対応を心がけます。面談時は、気持ちのつらさや問題点の整理だけではなく、趣味など話題にします。気分転換だけでなく、AさんのQOLにつながる価値観や楽しみを知り職種間で共有すること、さらにはリハビリへの意欲や今後の希望につなげられる関わりを意識しています。
Q&A
ご多忙の中、多くの方に視聴していただき、ありがとうございました。
また質問も多数いただきましたので、類似した質問内容をまとめ、回答させていただきます。
Q&A
ご多忙の中、多くの方に視聴していただき、ありがとうございました。
また質問も多数いただきましたので、類似した質問内容をまとめ、回答させていただきます。
Q&A
ご多忙の中、多くの方に視聴していただき、ありがとうございました。
また質問も多数いただきましたので、類似した質問内容をまとめ、回答させていただきます。
今回出した症例については、在宅の導入(訪問看護やベッド等の福祉用具の利用など)は家族と相談をしていたが、ケアマネや訪問看護師とはまだ連携できていなかった。在宅との連携ができていたら、患者の希望を尊重できたかもしれないと考える。
今回に限らず、病棟と在宅の連携では合同カンファレンスを行うなど、取り組みは少しずつ行ってきている。外来と在宅では、訪問看護師から外来主治医宛の「訪問看護報告書」の確認で止まっており、外来と地域の連携が、今後の課題である。
患者の病期が進んだ場合、「最期をどのように過ごしたいか」という話を入院中に外来主治医から行うことが多く、その際に看護師が同席をしている。まず家族に話を行い、患者さんにどのように話をしていくか家族と相談し、検討していくなど患者さんの状態や、家族背景に応じて話し合いの方法を事前に医療者間で確認している。循環器では、カテコラミンの離脱が困難な場合など、どこまで在宅で対応可能か確認が必要で、必ずしも在宅で看取りができる状況ではないこともある。在宅の希望があったとしても転院の話も同時に行っていくこともある。
ただ、重症になってから話をすることがあり、もう少し早期に患者や家族の意向を確認する機会をもつようにしたい。「大事としていることは何か」「どう過ごしたいか」など日々の会話の中で患者の意向がわかることもあり、日々の会話は大切にしたい。まずはできることから始め、早期に取り組めるようにしていきたい。
当院では、診断時からの緩和ケアを必要とする人の苦痛をスクリーニングするツールとして「STAS-J」を用いている。入院時のスクリーニングで、9項目のうち1項目でも高得点の患者さんは、カンファレンスで取り上げて看護師間で共有し、専門看護師による専門的な介入も検討している。
乳がん患者の具体的な苦痛の内容は、今後の治療の見通しの不安や生活の再構築の困難さ、術前化学療法を行った後のしびれによる日常生活の支障などがある。これらは、患者さんが治療と生活を継続していくための困難さにつながるため、問題をチームで共有できるよう調整し、一つ一つ丁寧に関わるようにしている。
【循環器】投薬状況や治療の経過などから増悪傾向がわかるため、主治医に治療の見立てを確認したり、他の看護師の意見を聞いたり、カルテから経過を確認するなど、まずは、患者の情報を整理し、ステージを捉えるところから始めている。そして、カンファレンスでいきなりACP導入を検討するのではなく、まずは治療方針や患者の情報を共有し、他のスタッフの意見も聞きながら、みんなで判断している。患者の情報を共有することで、スタッフからACPの話が出ることも多い。
【がん】ACPは一般的に1年以内に亡くなることを想像して驚かなければ、一つ導入のタイミングであるとされている。乳がんの病棟では、再発転移が認められ、根治は目指せないという中で緊急入院となった患者さんに対して、少しずつ話し合いを重ねながら本人の意向を尋ねていくようにしている。
以前は使用されていたマニュアルが存在したが、現在は継続されていない。現在は、部署でのACPの実践導入にむけて、医師と看護師と合同で研修を受け、さらに医師・看護師側でACPに必要な知識の獲得に努めている。
職種に特徴的な価値観が存在することはよく言われている。実際に、外来主治医と病棟主治医、看護師と理学療法士とで、患者さんを良くしていきたいと目指すものは一致していても意見の相違は生じるため、合同カンファレンスという場だけではなく、日常診療の中で、医師や多職種と患者の目指すところを話し合える風土づくりを行っている。
Q&A
Q&A
Q&A